沈丁花 2024/02/15 実家の庭に、祖父母が愛してやまない沈丁花がこんもりとあった。白とワインカラー。気品のある香りとかっちりした花の束が、いまだに記憶から去らない。のに、姑はなぜか沈丁花が好きではなかった。すぐ枯れるから、と言って植えようとはしなかった。姑も亡くなり三回忌が終わって、12月宮崎神宮の植木市で一対の沈丁花を買ってきて植えた。花が開きかけてきて、心穏やかになる香りが漂っている。しゃがむとすーっと実家の庭に佇んでいるような気分になった。