壮年のサルバトーレ

2009/04/09
1週間もたつのに、あの哀愁のメロディーが、まだ頭の中を往来している。
この映画を見るのは、何度目になるのだろう。
あるときは、子供時代の彼に寄り添い、あるときは、青年時代の初恋に一緒に胸をときめかせ、あるときは、母の苦しみや優しさに涙し・・・見るたび、私の視線が変わり、さらに味わい深く見ることができるのは、この作品がそれだけ優れているからか・・・
『ニュー・シネマ・パラダイス』
アカデミー外国語映画賞をとった短いバージョンのほうが、3時間ほどある完全版より好きだ。
終わったことに未練がましくしないのが人生って思っているからね。
でも今回、エレナと再開を果たす壮年のサルバトーレの心情が痛いほど感じたのは、歳が同じぐらいになっていたからだろうか。抱擁をかわすエレナの頬は桃色に上気していた。
このふたりのエンドは、このときじゃないな、とちょっと思った。50歳代から先も、というよりもっと歳をとっていったほうが、しがらみや瑣末なことが消えて、穏やかな愛がはぐくめるんじゃないかな・・・