スージー・ダイアモンドとジャック・ベイカーのゆくえ

2011/06/14
ニューイヤーズ・イヴ
一流ホテルのディナーショー。
スージー・ダイアモンドとジャック・ベイカーのゆくえ.jpgブロンドのミシェル・ファイファーが、赤いドレスをきて、グランドピアノの上で体をくねらしながら歌い、
やがて、ピンヒールで、優雅に降りてくる。
顎を上げ、ピアノを弾いているジェフ・ブリッジスに、もたれかかる。
息をのむような艶容さに、歌い終わると、拍手が鳴りやまない。
クラブやホテルで、客に音楽を聞かせることを生業とする彼らにとって、たぶん人生最高の時だっただろう。
『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』(The Fabulous Baker Boys)
More Than You Knowからはじまり、Feelings、The Look Of Love・・・最後のMy Funny Valentineまで、スージー・ダイアモンドのアンニュイな歌声で料理されると、なんと艶めいた雰囲気になることか。
そして、その姿を追い続けるジャズピアノの名手ジャック・ベイカー。
22年前見たときは、彼らの恋の成就を願ったが、今は・・・
尖がった生き方をしているうちは、一時の情熱はあっても、無理のような気がした。
昨夜、思いがけず、この作品を見て、あのときの”もどかしさ”に、ようやく、けりをつけた・・・。