お彼岸

2007/09/25
彼岸の墓参り 我が家の隣家は姑あらんだまばーちゃんの生家であり、近くに一族のお墓があるので、姑は節目節目の行事には必ず、兄弟たちと訪ねてくる。
その昔、まだ舅あらんだまじーちゃんが元気なころは、二人で軽乗用車に乗ってきた。
舅は、小学校の校長を退職してから、運転免許をとった。運転していくところは決まっていて、近くに嫁いだ娘の家と、車で30分ぐらいの妻の実家。
ある秋の彼岸の日、舅はいつものように妻を助手席にのせて、墓参りに来た。
もう少しで行き着くという手前にある急な坂道で、車はエンストした。
舅は若葉マーク。妻は免許なし。周りに人もいない。
「んんん~」と考え込んだ夫に、妻は「どうなさったとですか?」
「んんん~、動かん・・・」 妻はにこにこしながら「私が後ろから押しましょか?」
「うにゃ、それはいい。それより”(車の)仕様書”を取ってくれ。読むから」
私が運転して姑たちと墓参りにいくとき、そのエンストした坂を通る。そして、いつもこの会話を思い出す。
苦虫をかみつぶしたような顔をしていたであろう舅と、どんなことも動じない姑のコンビは、どのようにしてその苦難を脱したのだろうか・・・。