大殿人生
2010/05/17
几帳面できれい好き。
雪柳も坊主刈りにするほど、剪定もびしっ!とするし、
広い敷地内を、木の葉一枚落ちていないほど、きっちり掃く。
女房や妹たちが手伝ったあとは、気に食わないから、いつも自分でやり直し。
掃いた箒のあとが直角で、京都の有名な寺院のお庭のようだった。
お寺さんの数え方でいくと、88歳。
「子供のころに大病して、長くは生きられないといわれていたのに、ご先祖さまの誰よりも長生きした」と看取った、2つ違いの妹あらんだまばーちゃんが、ほっとしていた。
北支に出征し、終戦でようよう帰ってきたときは、家族が泣いて喜んだという。
農家の長男として家を守り、他に格別なことをした人生ではなかったけど、
お天道様に恥じるようなことは、ひとつもしてこなかったんじゃないかな。
たばこは女房がやかましいので、隠れて吸っていたけど・・・。
施設に入ってからは、職員のみなさんに大切にしてもらって、病院では主治医の女医さんや看護師さんたちに丁寧にみていただいて、ほんとによかった。
我が子はいないのに、子供と焼酎をこよなく愛し、大殿人生をまっとうした定利おじちゃん。
旅立ちは、大好きなつつじの季節だったね・・・。