シネマの閉館

2007/12/19
同世代が子育てに没頭している30代半ば、仕事以外の時間、私は映画にのめりこんでいた。
毎週金曜日の夜は、横浜か港南台か平塚の映画館。読む本は映画の本。
どちらかというと大作より、きらりと光る"珠玉の一作”が好きで、となると、必然小さめのシネマに足を運ぶようになる。
眺め回す必要がないぶん、役者のふりやせりふが無理なく拾っていけて、心にしっかりとどまる。
『ニュー・シネマ・パラダイス』もそんな大きくない映画館で見たような気がする。
宮崎ピカデリーが21日をもって閉館となる。
ラスト上映はそう、『ニュー・シネマ・パラダイス』
ラストの、キスシーンのフイルムを集めたところは万感迫り来る思いがあるが、トトが高校生の、ある年が明けた深夜、彼女が訪ねてくるシーンが、私はいとおしい。
そして、2度と会うことがなかったというバージョンが好き。思い出は思い出だから。
いい映画をたくさん見せてもらって、消えていった映画館たちに、心からありがとう。生涯忘れない・・・。