『人間の基本』に叱られる
2012/05/02
我が昭和30年代の子供時代は、懐かしくもあり、大人に頭を押さえつけられている不自由な時でもあったと、胸がちりちりする。
中学高校と、生意気にも、いわゆる第三の新人と言われる、遠藤周作、安岡正太郎、北杜生、阿川正之、開高健、吉行淳之介や田辺聖子、佐藤愛子、上坂冬子、有吉佐和子、曽野綾子あたりを手当たり次第読み出したら、私の頭を押さえつける大人が、一気に増えてしまった。
今からしてみれば、実体験を伴わない知識のみならず、「自由には責任が伴っているんだ、肝をすれてかかれ」という”型”を大家の皆さんから、がっつりさずかった、ような気がする。
それから、うん十年、歴史の本やら、音楽の本やら、映画の本やら、経営の本やら、あちこち読みふけり、
先日、曽野綾子著『人間の基本』を手にとった。
読みながら、
「ちゃんと10代のあなたに言ったでしょっ!わかって生きてきたのっ?!人間の基本は何だって教えたっけっ?!」
と、叱られている気がした。
いかん、いかん・・・