クレームがきたら
年末お歳暮にいただいたお魚の西京漬。
箱を開けると、太刀魚や鮭、アラスカメヌケなど、切り身がひとつずつがパックに入っている。
こういうのは、働く主婦にとって、ほんとうにありがたいのだ。お正月おせちが飽きたときにも重宝。
箱から取り出して、冷蔵庫に移したとき、手が汚れた。
「ん?なに?」よくみると、西京漬のお味噌らしき色。「ん?なんで」手に取ったパックを調べたら、ひとつがうまく閉じられていなくて、味噌がこぼれていた。
袋あいちゃっているんならしかたない。今夜のおかずはこれにしよ。
と、オーブンで焼いて食卓へ。お味噌の味がすばらしく、お魚のおいしさを活かし、商品としてはなんらさしつかえもなく、夫は焼酎がすすむすすむ。
普通なら、使い終わったパックをぽいっと捨てておしまい、なのだが、
主婦の頭から経営者としての頭に切り替えると、もしこのことを、販売元に知らせなかったら、つまりサイレントクレーマーしたら、こんなおいしい商品が、クチコミで売れなくなってしまう原因になってしまうかもしれない。経営者としては、悪いところを言ってもらったほうが、ありがたいのだ。でもたちの悪いクレーマーなんて思われないかな、そんな心配もあるけど、
・・・まっいっかと判断し、パックを洗ってビニールにつめ、お手紙を書いて投函した。
そんなこと、すーっかり忘れていたおとといの残業時間、この浜美屋食品さんからお電話がきた。
送ってもらったパックを点検したところ、封をする場所がずれていた。よくぞ捨てずに送ってくださった。ついては新しいのをお送りしたいと。
そんなつもりで言ったわけではないし、みんなおいしくいただいてしまったので、そんなご心配無用に願いたいと固辞したけど、またたくさん送ってこられた。
私たちはもう十分堪能したから、浜美屋食品さんの誠実な気持ち、うちのスタッフやご近所にわけてあげよう。