真冬のナナハン
2008/02/09
今日は寒くはあるが、事務所のなかはストーブもつけていない。
南国宮崎は、冬はつくづく住みやすいところだと思う。
まだ結婚したばかりのころ、住まいは世田谷区の隣、狛江市にあった。
ちょうど今頃の時期、夜巣鴨の実家から帰ろうとしたら、弟がバイクでおくってやる、という。
別に何も考えないで、じゃ頼むね。
玄関の脇にあるバイクを見たら、やけに車高が高い。ナナハンだった。
免許とりたて、バイトしてバイク買ったばかりの弟は、どこでもいいから乗りたかったらしい。
背が190センチぐらいある彼は、まるで50ccに跨ぐようにひょいと乗った。
私が原付バイクの試験を受けたとき、1つだけまちがえた問題。
「バイクは足をひろげて乗っていいか?」
いつも弟は50ccを足をひろげて乗っていた。
だから、自信持って、○!
答えは、×。
彼の場合、ひろげないと乗れなかったのだ。
実家の母からわんさと持たされた食料品をかかえ、後によっちらと乗って出発。
動き出して5分もたたないうちに、重大なことに気がついた。
風を切って走ると、ものすごく寒いのだ。
「やっぱ、電車で帰るっ」と、がっちりかぶったフルフェイスのヘルメットに向かって怒鳴ったが聞こえない。
それから45分、フェイスカバーのないヘルメットをかぶった私の顔はがちがちに凍りつき、安定の悪い荷物を落さないようにしつつ、カーブでそんな傾けないでよ、とかっこつけて走る弟に必死でしがみついていた。
我が家の玄関につくやいなや、ひょいと下りた弟は
「やっぱ冬は寒いね。お風呂焚いてよ。今夜は泊まっていい?」
おねえちゃんは、冷凍庫でかちんかちんに固まっている食料品のようになっていて、バイクから降りられませんでした・・・。
だから言ったでしょ!