雪の日の下校
2007/12/07
雪かあ・・・
小学校のころ、雪がかなり降り出すと、ほとんどの生徒が電車やバスで通学していたので、授業が切り上げられた。
授業がなくなって早く家に帰れることも、雪が降っていることも嬉しくて、いつもはぐずぐず教室に残っているのに、さっさと帰り支度をして学校を出る。
3,4年生の時だったか、粉雪がかなり降りしきる中バス停に並んでいたが、一向バスが来る気配がない。次のバス停まで歩こうよ、ということになり、友達7,8人で歩き出した。
次のバス停までの道中は、おしゃべりと雪で楽しくて、また次のバス停までいこうという。
その次のバス停まで、その次のバス停まで・・・と、のろのろ運転のバスが来ているのを横目に、結局終点の大塚駅まで、子犬たちが転げるように、ころころ笑いながら歩いてしまった。
学校を出て1時間半ぐらいかかっただろうか。
大塚駅について、さて山手線に乗り換えてと思ったら、雪のため運休!
バスは動いていたのに乗らなかった。山手線は疲れてもう歩きたくないのに動いていない。
私と同じ次の巣鴨駅まで一緒なのは友だちひとり。
家に電話したら「歩いて帰ってらっしゃい」と母にあっさり言われた。
大塚駅から巣鴨方面へは、かなり長く勾配のきつい上り坂がある。歩けるのだろうか・・・。
傘はさしてもほとんど役にたたず、制帽にもオーバーにもランドセルにも雪がつもり、手袋も長靴のなかもべちゃべちゃ。
それまでとはうってかわって、むっつり黙りこくって、ふたりで歩き出した・・・。
何度ころんだことか。足先や鼻先は感覚がなくなっている。雪がちっとも楽しくなくなった。
「じゃね、ばいばい」と、友だちとも分かれ、誰も足を踏み入れていない新雪の道にさしかかったとき、足がもつれて、ばったりうつぶせに倒れた。
もうじき家なのに、起き上がる気力もない。
ちゃんとバスに乗っていれば、今頃こたつで祖母とみかんを食べるだろうに、なんてばかなことしたんだろう。
雪に顔をうずめたまま声を出して泣いたが、声や音は雪が吸収し聞こえない・・・。
・・・やっとのことで家についたとき、母は雪だるまが立っているかと思ったそうだ。