手荷物
2007/07/15
実は私もあります。
16、7年前にもなるだろうか、オハイオ州コロンバスで会社を経営している姑あらんだまばーちゃんの妹夫婦を尋ねて、ばーちゃんと、あのころ高校1年生と中学2年生のめいと4人で、2週間ほどの予定でアメリカに向かった。
それまで海外旅行をしたことはあっても、個人で出国するのは初めて。不安もあったが、けっこうばりばり英語を勉強していた時期なので、内心”腕試し”とちょっとわくわくしていた。
成田の税関は問題なく通過。長い時間のフライトなので、あらんだまばーちゃんは通路の後ろの方でラジオ体操をしばしばやって、外人さんに胡散臭い目で見られているが、まあこれもよし。
やっとこさ着いたコロンバス空港。荷物検査で「食べ物はかばんに入っていますか?」と聞かれた。ばーちゃんに「・・・っていってるよ」と言ったら、彼女「持ってます!」とそのおじさんに、にこっと笑いかけた。
思わずぎょっとして、何持って来たのよと言いかけたら、こっちにいらっしゃいと、別室にお呼ばれされた。別の列に並んでいためいっこふたりも、違う部屋に消えた。
ばーちゃんがかばんを開けたら・・・梅干、つけもの、らっきょう、あくまき、にんにくのしょうゆ漬け、干し大根、味噌漬け、塩こんぶ、なんかわからん煮物・・・とでるわでるわ・・・。どうして出国するときなんにも言われなかったんだろう?ばーさんだったからかな?得々としてすべてのビニール袋をあけたら、日本人でも、こりゃなんじゃいという臭いが部屋中に充満した。
なんでこんなに持ってきたのよと言いかけたら、担当のおじさん、梅干を指差し、これは何か、どうやって作るのかと聞く。「・・・っていってるよ」と言ったら、ばーちゃん嬉しそうに、6月に自分の実家の梅の木から梅の実をちぎって、から解説しだした。それを延々通訳・・・。最後に「おいしいよ」といって口にひとつ梅干を放りこみ、「うーすっぱいっ!あなたも食べない?」と言ったら、もうけっこうと言われた。
別室から出てくると、隣の部屋からめいっこふたり、半べそかいて出てきた。彼女たちはチョコとガムだけだったが、学校で習った英語が通じなかったらしい。
「学校の先生の英語はなまっちょる!」なまっちょるって、どうなまってるのよ?
「宮崎弁の英語だあ~」???
この珍道中、先が長くてニューヨークまでたどりつけそうもない。本日これまで!