父の足跡
2011/12/02
でも、父の死を、私がどうしても知らせなくてはいけないところが、1か所だけあった。
向島の三囲(みめぐり)神社。
今はやりのスピリチュアルポイントであり、父と夫と私のデートスポットだ。
言問橋を渡り、左に折れてしばらく行くと、ある。
神社仏閣廻りを趣味としていた父が、数ある中から、
「ここは(ご利益)効くぞ」と断言し、頼まれてもいないのに、お札を買っては、知り合いやら友人やらに配ってた。
お札を貰って、”効いた”という人が、神社にお礼参りにきて、またその人が、知り合いに話をして・・・と輪が広がっていっていたらしい。
父と来ていた時と同じように、
お賽銭をあげ、そちらに参りましたので、父をよろしく、とお願いし、
老翁女嫗の石造に、用意してきたお花をあげ、
一番堂々としたおきつねさまに、挨拶し、
三角鳥居(三柱鳥居)を通り過ぎ、
大國天、恵比寿神をまつったお社に、頭を下げる。
そして、最後
社務所に声をかけた。
ここの色白でやさしい奥さんとは、いつも笑顔で言葉を交わしていたのだが、
今日告げたことは・・・
葬儀のときすら流さなかった涙が、あふれてきた。
父が亡くなったことを、初めて実感した瞬間だった。