私は元気よ
2011/09/22
映像で確定されてしまう怖さと、台無しにされてるかもしれない怖さがあるので。
R・J・ウォラー著の「マディソン郡の橋」が映画化され、配役がクリント・イーストウッドとメリル・ストリープと聞いた時、ちょっとがっかりした。年齢があわない。
私の中での主人公はロバート・キンケイドはサム・シェパード、フランチェスカはジェシカ・ラング。普通のなんでもない静かな物語には、うってつけかなと。
そして書いてもない、フランチェスカの子供たちの話が、割り込んできていた。
やっぱり、がっかり。
30歳代の私は、この本に、のめりこんだ。
日本語の使い方が気に食わなくて、原文でも読んだくらいだから。
長い歳月の同じことの繰り返しの日常や、先が見えてくるあきらめなどは、当時の私はよくわかってない。
ただ、二度と会えないであろう相手に、自分が元気でいることを知らせる手段として、カメラマンのキンケイドは「ナショナルジオグラフィー」に投稿する写真を使った。
世界中の人たちが読んでいる一流の雑誌で、自分の存在を、たったひとり愛した人に、さりげなく知らせる。
こういう”赤い糸”もあるのか、そこが、なによりなにより、心を動かされた。
このブログを書くのも、私を知る誰かに、私は元気よ、と教えたいためもある。
「マディソン郡の橋」のような、艶めいた話はないにしても・・・