竜馬が浸かった温泉
2009/01/08
慶応2年3月、坂本竜馬は、新婚旅行で薩摩霧島地方に出かけた。
そのとき立ち寄ったのが、京都寺田屋でおった傷を癒すための、塩浸(しおびたし)温泉。
鹿児島市から行くと、霧島温泉にむかって走る223号線沿い、地名で言ったら牧園市にある。
昨年暮れの新聞に、この今は民営になっている温泉を閉鎖すると書いてあった。
「行かにゃあ」
司馬遼太郎氏が「竜馬がゆく」の取材におとずれた昭和30年代は、知っている人はまばら、タクシーの運転手さんもおそれをなすほど山奥だったとあるが、今は竜馬とおりょうさんの像(ぜんぜん似てない!)は建っているし、行った日曜の夕方は車は満杯状態。メジャーになったものだ。
地元の人らしい集団は、この建物の裏にある、小さな事務所のようなところに吸い込まれていく。傷を治すのには、こちら、と以前入湯しにきたとき、言われた。夫はゲンをかついでか、入ろうとしなかった。
「込んでるから、帰ろう」
温泉にわざわざ行って、入るのやめようもおかしなものだが、そのくらい出入り口はごったがえしていた。
不思議なことに、閉鎖になるとはどこにも書いていなかった。私は勘違いしていたのだろうか・・・。