「着衣のマハ」を見る
2011/11/29
40年ぶりの“来日”と書いてあったから、中学生のころだったろうか。
そのときは、ペアである「裸のマハ」も来た。
階段の踊り場から、壁に並べて掲げられていた二つの絵を、穴のあくほど眺めていた・・・のに、
横長のとても大きな絵が、そんなでもなく、「マハ」を「マヤ」と思い込んでいたことも判明。
記憶とはあてにならないものだ。
ゴヤの絵は、恐ろしい、という固定概念がある。
40年前の印象を引きずっていて、今回も覆らなかった。
時代背景に革命や戦争があったから、
展示されている100点以上の小ぶりの絵の大半は、実におどろどろしい。
おどろおどろしさを、この「着衣のマハ」1枚で払しょくはできないが、
モナリザのような神秘的な笑みをこちらに向け、やわらかい絹地で豊満な裸体を神々しく包み、肩から腕にかけてのレースが、彼女の美しさを、更に引き立てている構図は、ながめても眺めても飽きない。
会場を出て、売店で買った絵ハガキは、
「着衣のマハ」
「裸のマハ」
美しい「アブランテス公爵夫人」
活き活きした目をもった「スペイン王子フランシスコ・デ・アントニオの肖像」
それと、ゴヤの自画像
怖がりの私としては、無難な選択だわ・・・