造形美と躍動美の祭典

2011/08/31
毎晩夕飯を食べながら、夫と見入っているのが、世界陸上。
ふたりとも、陸上競技とは、およそご縁のない人生を歩んできたので、選手のみなさんの、美しいというより、完成された肉体には、ひたすら感動している。
それに、誰よりも早く、誰よりも遠く、誰よりも高く、が勝つ基準だから、この試合、素人でもわかりやすい。
昨夜は、女子の棒高跳び。
東洋系の女性が決勝に残っていない、というのは、やはり持って生まれた体型が、この手の競技には合わないということか。
それにしても、みなさん美しい。
作りこんだ体の造形美だけでなく、顔の造作も、きりっとして、おそばによるのも憚れる。
棒(ほんとはなんて言うんだろう)を担ぎ、たったったったっと、広いストライドで駆け抜け、ぐさりと地にさし、撓んだ棒に体をあずけ、しなりを利用し、盛り上がった肩や腕の筋肉を目いっぱい使って、バーを越えなんとする。
一年中練習にあけくれているのだろうに、いつもはうまく飛べているのだろうに、どうして本番は難しいのだろう。
体の部分が触れ、バーが外れるたびに、私たち夫婦は、無念の声をあげる。
しかし、無事バーを超えたときは、拍手喝さい。
背中から落ちてくるときは、どんなにか気持ちがいいだろう、と話しながら。
ときどき他の競技の表彰式が行われる。そのときは、選手は敬意を表す姿勢をとる。
「ちゃんとしてるな」と夫は言うが
自分が表彰台に上がるとき、みんなにそうしてもらいたいからよ。
さて、今夜は何の競技だ?