お花やさんのちょっといい話

2009/08/19
昼ごはんを食べながらの、おばさんたちの会合があった。
「うちの店にね、”あの方”が、奥様の誕生日だから花束作ってください、って毎年みえるのよ」
え~っ!
”あの方”というのは、どの方かというと、その会の局長をされていた方。おばさんたちは、みんな大変お世話になっている。
もう70歳に手が届くだろうか。退職されて何年かたつが、その典型的な日本人サラリーマンの風貌からして、とても奥様の誕生日に、花束かかえて、いそいそ帰るようには思えない。
さらに、花やさんの話が続く。
「奥様の誕生日に花束買われるお客様には、ゴージャスにデコレイトしてあげちゃうの。だって、もらうほうもそのほうが嬉しいじゃない」
うんうん!
「でも、あるとき、りっぱな花束にして差し上げたら、すみません、新聞紙でくるんでくださいって言われた」
なんで?
「人に見られるのが、恥ずかしいんだって」
ま、なんと。お墓に持っていくんじゃあるまいし・・・
「だからね、母の日に、カーネーション1本でも買いに来る男の子たちには、時間かけて、ステキに包んであげるの。
大きくなって、彼女にお花あげるとき、恥ずかしいなんて思わないようにね」
えらいっ!
でも今まで花なんて買ってこなかったのが、急に花束持って帰ってきたら、なんかあやし~って、疑っちゃうようね。
哀しい性(さが)のおばさんたちは、それぞれ、花やさんとは縁遠い亭主を思い浮かべていました・・・。