農地法3条があるがために
2010/09/03
財産なんて言ったって、現金は葬式で全~部使って、残るは家屋敷と山野と田んぼと畑。
彼らは子供がおらず、でも養子にしたい人がいた。でもふたりとも同時に認知症になったので、遺言も書けない。
なんとか彼らの意志をまっとうさせたいと、成年後見人である私が奔走したら、「死因贈与」と言う手に行きついた。
さて、おじが5月に亡くなり、手続き開始したら、思いもよらないところでストップ。
農地が、”相続”ならすんなりいくが、”贈与”となると、農地法3条がからみ、施設に入っている妻に移すことができない、と、農業委員会がいうのだ。
今は人に耕作してもらっている農地、面積ばかりひろく、固定資産税なんて、ほんのわずかなのに。
なかに入った土地家屋調査士が、農業委員会の面々と話すのだが、なかなか理解を示さない。
なにせ、前例がないので、判断のしようがない、というのが本音らしい。
それでずるずる・・・
今だって人に作ってもらってるし、夫から妻への相続に違いがないでしょ、というが、耕作できる人と雇用契約を結べだの、2等親までしか代理で耕作する人はみとめられんとか、常に農業を行う意思があるかだの、農機具はそろっているかだの、意味がわからんっ!
でも、決めてもらわなきゃ困るっ!
8月終わり、業を煮やし、私がおもむいた。
「後見人としては、後見者の財産を減らしてはいかんと家庭裁判所から言われていますから、国に返納することもできない。国は食糧自給率を上げようとしているのに、この人はだめ、あの人もだめ、と言っていたら、農地はあっという間に雑草がはびこり、てがつけられなくなる。私は農業のこと、よくわかりませんが、こんなことしていたら、だーれも農業なんてやろうという人、いなくなってしまうような気がします。許していただいたら、耕作は続けていけるようにしますから」
「・・・・・・」
9月1日、okが出た。
やっとだよ、おじちゃん・・・