江平子安観世音
2008/02/02
江戸中期に谷口丹後入道宗須という偉いお坊さんに寄って開基されたという。
"子安"と言うくらいだから、当然産前産後の女性たちが参る。
無事男の子を出産した、工具やの娘さんも行ったのかな。
縁日になると、女性たちだけではなく、男も子供も参る。
毎年暑い盛りの7月17日と18日が大祭。
おいが小学校低学年のとき、学校で「今日は江平のお祭りだよ」と友達から聞いた。
家に帰ったら、きっと宿題じゃあなんじゃと言われて、きっと連れて行ってもらえないだろう。
だったら、学校帰りに直接行ってしまえと、子供の足で1時間以上かけて、ひとりで観音さんのお祭りに行った。
ランドセルは、途中でマンションのごみ置き場に隠した。
人の賑わいに目をうばわれ、時間がたつのも忘れて、お店をひとつひとつ見て回った。
気がついたら夜になって、お腹もすいた。
ちらっと家のこと考えたけど、怒られるし、まだ人がたくさん出ているから、まっいっかと、知らない子の仲間に入って遊んでいた。
そのころ家では大騒ぎ。
学校はとっくに出たというのに、8時をまわっても帰ってこない。友達の家に電話をしたがどこにもいない。警察に捜索願いをだした。
夜10時すぎ、お腹がすいてたまらなくなって、ものほしげに、カキ氷やのおじさんを見ていたら、小さい氷を少し分けてくれた。
田んぼの溝でも落っこちたのではないかと、親戚一同駆りだされて、真っ暗な田舎道を探し回る。
パトカーも出て、大捜索となってしまった。
すると1台のパトカーが、子安観音のところでぽーっと立っている小学生を見つけた。
にこにこしながら、パトカーに向かって手を振っている。
「迎えにきてくれたんだね」とパトカーをタクシー代わりにして、時計の針が12時をまわるか、というころ家に戻ってきた。
明日は、その"穂が無い"おいの二十歳の誕生日。
いつぞやのお礼と、おかげさまでここまで無事に育ちましたと、報告に行ってきた。