運転すれども
2007/01/12
数年前の帰宅途中、真っ暗な上り坂の山道で、突然フロントガラスが煙につつまれスピードが落ち始めた。あわてて路肩に寄せ、車から降りて見てみると、もうもうと車から煙か湯気かが上がっている。たいへんなことになったと、ケータイを取り出し出張中の夫に電話をするが、山の中な故か通じない。周りを見渡すと車も通っていない。突然恐怖がおそってきた。熊が出てきたらどうしよう。ともかく走った。電話しながら走った。わんわん泣きながら走った。車が通った。少しスピードを落とした。なんでこんな山の中、おばさんが走っているんだろうと思ったのだろう。「助けて!」と言おうかと思ったが、誘拐されたらもっとたいへんと思って無視して走った。
ようやく夫と電話が繋がった。「メーターの針が、ここ何日かHをさしていなかったか?」「何それ?知らない!そんなのついてないよ!も~何でもいいから早く何とかしてよ!」それ以上言ってもしょうがないと思ったのか、横浜にいる夫は、宮崎の友達に電話をし、その友達がまた別の友達に電話をし、その友達が・・・やがて、救助に駆けつけてきたのが、なぜか同じ部落に住む人の息子さん。車の修理工でたまたま近くでパチンコをやっていたそうだ。彼が飲み屋にいたら私は絶対絶命だった。
・・・という話を月次監査に来てくれた顧問税理士に話した。彼女、年頃は私と変わらず、美人で頭も切れる。「私もね、この前代車出してもらったの。それが走っていたら止まっちゃったのよ。どうなってるの、この車!と思って、車やさんにすぐ電話したの。そしたら”ガス欠じゃないですか?”って言うから”どんなガスがもれたんですかっ!”って言ったの。ガスってガソリンのこと言うんですって。あらんだまさん、知ってた?」・・・二人は事務所のスタッフの冷たい視線を浴びました・・・。