もっちん天に召される
2021/02/24
その前の年に3軒先の谷口さんちで生まれた。
昨年9月ぐらいから発作が起こるようになって、夫と交代で抱きかかえて夜を明かすことがしばしば。薬も点滴も効果なく、万策尽きてめっぽう日の当たる畑でひなたぼっこさせてみた。2年ぐらい前から目も見えず耳も聞こえないのに、怖がることなく、家の中も畑もスタスタ歩き、昼寝をしたり草花のにおいをかいだり。
越せないと思っていた年も越せて、にゃんにゃんにゃんの日の1週間前、夫と私に看取られ引き潮の時間に、陽をさんさんと注すもっちんの大好きな場所で息をひきとった。猫の最期は何度も経験してきたが、慣れることはない。前は死神張り倒してでも死なせまい、と思っていたが、それは私の身勝手であって、もっちんがしたいように心地よい状態にさせてあげたいと思った時、「天の思し召し」という声が聞こえた。私が最期を決めるのではないんだ。昔読んだ介護の本で石飛先生が、枯らして死ぬのが本人にとって一番楽なんだよ。点滴するとおぼれたようになって苦しんだ、と書いておられた。もっちんが欲する水やごはんはあげよう。いらないと態度で示したらそこまで。最期の日がそうだった。あんなにずっしりだったのに、なんと軽くなったことか。安らかな表情だった。事務所から見える桜の木の下に眠らせた。これ以上書くとまた胸がいっぱいになるので、ここまで。
もっちん、15年間溢れんばかりの幸せと楽しい日々を私たちにありがとう。