ちょんさん、ありがとう
2010/07/08
インチョン空港に私たち一行を出迎えたのは、現地旅行会社から派遣されたちょんさん。
グレーのスーツに身を包み、すっきりした彼女の笑顔は、これから始まる2泊3日のソウル旅行をきっとステキな思い出にさせてくれるであろう予感がありました。
何度も韓国に来たことのある夫と私は、決まっている観光コースもいいけれども、せっかくだから、今までいったことのないところやおいしいものや、韓国の心に触れる旅を、皆を味合わせた。
第二次大戦を知っている姑や叔母は、正直、恐る恐るやってきたという感じだったので。
「楽しい旅できますか?」という質問に、ちょんさんはにっこりして「わかりました。大丈夫!」
翌日の朝食はおかゆ。ホテルの味気ないバイキングはキャンセル。
バスで朝早く街に出て、おいしいおかゆが食べられるなんて!おまけに注文していないいろいろな種類のキムチなどが出てくるのには、皆びっくりするやら感激するやら。
午前中連れて行ってもらったのが、漢江はさんで北朝鮮がみえる国境の観光建物。川向こうから聞こえる音楽に、複雑なこの国の事情や我々日本人も含めての歴史を、皆無言で思っていました。
ソウル市内に戻って、
ちょっと疲れたのでお茶を所望したら、ちょんさんは「おかあさん(姑あらんだまばーちゃん)にきっと気に入ってもらえるところ」と大学街の喫茶店へ。
そこで出てきたゆず茶など、韓国独特の体によさそうなお茶とお菓子は、今でも姑が「あれはおいしかったねえ」と懐かしそうにいいます。
夕飯は宮廷料理と踊りの店。
そのころになると、添乗員であることも忘れ、長年のお友達のようにわいわい。
ホテルに帰ると、明日帰国するのがもったいないぐらい楽しさの余韻があって、「また明日ね」という彼女を引き止め、お部屋で宴会となりました。
お酒が進むにつれ、ちょんさんは私と同行のお友達と同じ歳、昔日本に来て服飾の勉強をしていたこと、韓国に帰って自動車事故にあって生死の境をさまよったこと、知りました。
翌日、インチョン空港では別れ難かった。
彼女のさりげない気配りや思いやりは、“恐る恐る来た”姑や叔母の心を溶かし、今ではチャングムや冬のソナタの熱狂的なファンに変えてしまったのです。
てなこと某紙に書いたら、なんと「ソウルロッテホテルスイートルーム宿泊券」が当たった!!
航空券の方が欲しかったのに・・・