芝桜のおうち
2010/04/12
「芝桜見にいかない?」
と誘ったら、好奇心が服着て、つんのめって歩いている彼女、「行く行くっ!」
家から車で15分ほどのところにある、新富町の普通の農家が、毎年このじきピンクで染まる。
家主の黒木さんが、目が見えなくなった奥様を励ますので、植えはじめたとお聞きした。
車をどこにとめようか、道端で駐車して大丈夫だろうか、などいらぬ心配だった。
だって、駐車場は整備されているは、交通整理はいるは、みやげものやは出ているは、客がお茶を飲む場所はあるは、いやはやりっぱな観光地になっていた。
「ほっておくと芝桜は咲かなくなるのよ。だからこれだけの敷地に花を咲かせるってものすごくたいへんなの」
と、植物に詳しいばーちゃんは、解説してくれる。
「ちょこっと取って、家に植えるっと、いいっちゃけんどん」
「だめだってばっ!」
「みやげでうっちょらんやろか」
「だんごだけ」
「ざんねんやねえ」
「また来年見にこようよ」
「来年はもう来られんかもしれんもん」
「ぜったい来られるっ!お昼食べにいくよ」
「あっお昼ね。いこいこ」
あっさりと未練なく、みごとな芝桜をあとにし、二人でラーメンを食べに行きました・・・