黒貫寺
2010/02/28
娘大好きの父は、一緒に引越して来てもいいか、という気分にちょっとなっていたと思う。
しかし生粋の江戸っ子は、デパートと本屋とそばやと交通機関がネックになって、断念した。
娘かわいさより、自分の趣味(デパート・本屋・そばやめぐり)を優先した。
だいたい宮崎市と東京のど真ん中を比較するほうが、無理ってもんだ。
父が地方に足が向くのは、ゴルフと寺・神社参りのときだけ。
ゴルフは夫にまかせ、近所の由緒正しい寺はどこかと、姑あらんだまばーちゃんに聞いた。
即帰ってきた返事は「黒貫寺」
場所は、家から車で5分。
今から思えば、お大師さんのはす前。高屋神社のまん前。
山門を入ろうとして、腰が抜けそうになった。
顔の崩れた仁王様が一対。しろありにでも食われたのだろうか。
おどろおどろしい姿が怖がりの私を圧倒して、それ以来、行っていない・・・。
先日、ばーちゃんがお泊りに来た時、たまたま黒貫寺の前で、登りをみた。
出店でもあるのかなあ、と思って「いってみる?」
好奇心が服着ている彼女が、断るわけがない。
15年ぶりのお寺は、すっかり風景が変わっていた。
本堂は新築され、あの怖い仁王様はいずこへ?
ご本尊さまは観音様。昔は安産祈願で、大賑わいだったという。
そういえば、めいっこも岩田帯をもらいに、ばーちゃんと連れだってきたっけ。
「奥は池もあって広いんだから」
というので、裏手を散策していたら・・・ありました。
例のおどろおどろしい仁王様が。
「私が子供のころは、きれーだったっつよ」
お手入れしなくなったから、こうなったの。
でも捨てるわけいかないわね・・・。