いとしの中国茶
2007/03/05
やかんがしゅんしゅんいうほどお湯を沸かし、ガラスの耐熱ポットを食卓の真ん中に置く。おもむろに取り出した芙蓉の種のような、かさかさ乾いた実をコトンをポットに入れたら、おしゃべりがやんだ。何事が始まるのか・・・熱湯をポットに注ぐと、実がじわーっと開きだし、やがて中からみごとな水中花が咲いた。
「うわーっ!」「あらんだまっ!」「なんね、これっ!」あたりには芳醇なジャスミンの香りが漂う。「あらんだまさん、これ何?」みんな口々に聞いた。私は得意満面!「中国のお茶で工芸茶っていうの!」
飲んでもらったら「うわーっ!おいしいね」「こんなのあるんだ」「どこでうっちょっと(売ってるの)?」「おもしろいねえ」と肝心の話はそっちのけ、お茶の話で盛り上がって、皆さん深夜のご帰還となった。
15年ぐらい前、台湾に行って初めて本物の”烏龍茶”と出合った。日本茶にはない、官能的な美しい香りと心酔わせる甘さに魅了され、大枚はたいて取り寄せたりしたが、知る限り、身近で売っているところはなかった。
ところが、売っているところがあったのだ!それもすぐ近く!おまけに知っている方のお店!美老園さんだ!
2月のある土曜日、ふらっと尋ねていって”ひとりレクチャー”をしていただき、日本茶屋の旦那さまの博学なお話と懐かしい烏龍茶で、至福の時間を過ごすことができた。
中国茶のおいしさ、楽しさ、もっともっと多くの人に感じてほしいな。知らないなんてホントもったいない・・・。