銀行で売り子の声
2008/07/25
駐車場に車を入れてドアを開けると、むおおおっと灼熱の空気が押し寄せてくる。
息をとめて銀行の中に飛び込み、深呼吸。
と同時に、いつもの「いらっしゃいませ」とはトーンの違う「らっしゃいませえ~」が響いた。
お祭りの『えれこっちゃみやざき』が明日からあるので、外で的屋のおにいさんが、もう店出しているのかな・・・
バックから通帳やらさいふやらごそごそ出しながら、待合席の間を通り抜けていくと、
「らっしゃいませえ~いかがですかあ~」
と、明らかに私に声をかけられた。
なに?
ゆっくり声の聞こえた方に顔をむけると・・・
若いハンサムな行員さんが、宝くじ売ってる!
お魚屋さんのように!
おばさんは、つつつつと彼の方に行きかけましたが、理性がそれを押しとどめ、
にっこり笑って「ごめんなさい。急いでいるの」
ATMを扱いながら、
やっぱ買えばよかったかなあ、
でも当たらないだろうしなあ、
近寄っていって大きな声で「らっしゃいませえ」といわれるのはいやだなあ、
いや、宝くじ売り場のあいそもこそもないおばちゃんから買うより、当たるかもなあ、
宝くじより髪染めにいかんとなあ、
と、千々に気持ちはみだれるのでありました・・・。