たぬき路
2008/02/07
「たぬきがいた!」
「どこどこどこ?」と聞いたら
トイレの窓から正面、まっすぐ山からでてきて、今年は作らなかった大豆畑の真ん中まで来て、右45度に進路を変え、土手まで進み、ちょっと躊躇して、土手を下って西隣の家の庭に入っていったという。
「あの右45度に、くっと方向転換したのが、なんか路があるかのようだ」と、私に見せられなくて残念といわんばかりに目を輝かして言う。
似たもの夫婦の私たちは、そういう"奇怪なこと"があると、休日は一日その話で盛り上がる。
その話を隣家のおばに話したら、
「そうやが。たぬきは自分の決めた路があっとよ」
たまたま遊びに来ていた3軒隣(といってもはるかかなたにあるが)のおばさん、それを受けて
「そ~ら、うちに来るたぬきやろ。あんたげのほうから、ずーっと歩いてきよるもん」
「そっで、どこにいくと?」
「通りをまーっすぐ歩いてきて、うちげの庭に入って、裏さに行って、山ん中にはいってく」
「へ~」
「目印なくとも、いっつもおんなし路あるいちょるよ」
「へ~」
「たぬきは自分の決めた路しかとおらんと」
「へ~」
田舎学では博士級のおばさんたちが言うのだから本当だろうが、白昼堂々、畑の真ん中で、くっと右45度に曲がるところを見てみたい。