古代人は歩く
2007/05/26
考古学はやりだすと、やみつきになるというが、学生時代、実に残念なことだが、私にとっておそろしくつまらない授業でしかなかった。
教授がスライドに映し出されたいくつもの足跡を指し示しながら、「この足跡から、男であるか女であるか、年齢や背格好など、いろいろなことが分かります。でも、1つだけわからないのは、なぜここで立ち止まり、また戻って行ったかということです」と悦にいって述べられていた。
クラスメートは、したり顔でうなずいていたが、私はどこが面白いか、とんと興味もわかず、考古学概論より、古典落語大全集を密かに読みふけり、江戸時代の下町を闊歩していた。
今朝、花見以来久しぶりに西都原に立ち寄った。・・・すると、もっこりした古墳たちのおつむに、草がおい茂って、丸刈りからスポーツ刈りが汚くのびたって感じになっている。
市長!一応観光地で売ってるんだし、被葬者への敬意もこめて、これはなんとかしなくちゃだめだよ!
かつて13000人もの古代人たちが生活していたというこの小高い地。悠久の流れを目の当たりにすると、なぜ考古学がおもしろいのか、少しばかり分かるような気がした・・・。