うしろ姿のあなた

2008/11/14

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「バスの時間大丈夫?お腹すいた?」

「大丈夫です。隣の西洋美術館で、絵を見て、ごはん食べましょうか」

ひとの頭ばかり見た『フェルメール展』の東京都美術館をあとにし、woodymomさんと、国立西洋美術館へ。デンマークの画家ヴィルヘルム・ハンマースホイの絵に会える。

ハンマースホイはまったく知らない画家だったが、6月の日経新聞に紹介されたのは、なんとなく雰囲気がフェルメールに似ていた。比べて見てみたい、と思った。

会場は、ぜんぜん混んでいないの。ゆったり、ここちよく、これぞ絵画鑑賞よ、というセオリーどおりに、遠くで近くで眺めまわす。

女性が静寂のなかにおかれている構成は、フェルメール的だが、黒衣のうしろ姿の女性は、匂いや生活感のない白い部屋で、沈黙している。

フェルメールは一瞬を切り取っているが、ハンマースホイは大きな時間の流れを止めて、描いている。それは黒と白が基調だからそう見えるのだろうか・・・。

と考えていたら、昼食の時間はとっくに過ぎ、woodymomさんが、山梨へ帰るバスの時間がせまっていた。

優雅に美術館のレストランでランチとっている場合じゃない!大荷物をかかえ、上野駅の構内に飛び込み、うどんやをみつけ、ががががっと、てんぷらうどんを掻き込み、弾丸のようにしゃべりまくって、じゃまたねっ!!

つかの間の、働く主婦の憩いの時間が終わりました・・・。