サプライズ

2007/02/12

アンソニー・ミンゲラ監督の『イングリッシュ・ペイシェエント』は夫と私の好きな映画のひとつだ。黄土色の砂漠に小さい宝石のようなエピソードがちりばめられ、やがてそれが天の川のようにつながる。そのストーリーを支えるコーランとバッハの溶け合う音楽は、なんと崇高な調べだろうか!
中でもお気に入りのシーンは、インド人将校が看護師ハナを誘い出すところだ。暗がりのところどころにろうそくを灯し、古い教会に誘う。その建物の内壁高い位置に描いてある絵を、彼はハナに大掛かりな装置を作って見せてあげる。こんなサプライズを考えてくれるなんて女冥利につきる!
思わずぽろっと言ってしまった。「い~な~。こんなサプライズ。私ぜんぜんない」「したよ」「いつ?」「結婚する前」「それって何十年も前でしょ」「金も使ったし、うまいもんも食わせた」「今ないもん」「なんで今しなきゃいけないんだ」「え~。いつしてもらってもうれしいよ」「ん~わかった。明日サプライズな料理作ってやる」「そ、そ、それはお断りします。後でサプライズなお片づけと皿洗いが私を待ってる」「じゃ言うな」
・・・身をゆだねていた高邁なラブストーリーが一気に砂漠に沈みました・・・。