ムンクの目

2007/11/23
ムンク展 友だちの子供が小学生のころ、口を立てに開け、目を見開き、手をほほにあてて、恐怖(?)の表情をして見せてくれた。
「なにそれ?」と聞いたら「ムンク!」
彼がムンクが人の名前なのか、恐怖の表情のことをいうのか理解しているかは別として、世間一般、ムンクといえば、欲望や不安や絶望や嫉妬など、マイナスの感情を絵で表現した画家をして有名だ。
東京上野の国立西洋美術館で開かれている「ムンク展」は、フェルメールのように、絶対見たかった訳ではない。怖がりの私は、ムンクがぐりぐりぐりと描く人の目が怖いのだ。絵の前に立てるかな・・・
想像通り、暗い。濃い緑黒色がたくさん目に飛び込んでくる。ノルウェーという地で描くとこうなるのかな。
眉をしかめながら、半分逃げ腰になって見ていくと、彼は、あるチョコレート工場の社員食堂やオスロ大学の講堂に、連作の大作を描いていることがわかった。
それらは希望や躍動感があふれ、色彩も明るい。
ようやく救われたような気持ちになって、出口にたどり着いた。
でも、展示会の土産を売っているところで、いつもは買うはがきは、やめた。
ムンクの絵は手元に置きたいと思わなかったから。だからこのパンフレットしかないの・・・。