15歳の春
2010/03/22
あのころ・・・15歳の春。
私は、まったく希望しなかった高校への入学が決まっていた。
胸はずませるような夢や期待は、皆無。
しかたがないから行ってやってるんだ、と1学期はやっと通ったが、2学期が始まって、気持ちが切れてしまった。
どうしても、登校できない。
布団のなかで、これではいけない、こんなことで終われない、というのと、なんで私がこんな高校にいかなきゃいけないんだ、という気持ちが交錯していた。
1か月ぐらいの葛藤の末、「読んでみろ」と父が渡した『竜馬がゆく』に触発され、剣道部に救いを求めた。
遅い時期に入部してきた私を、暖かく迎え入れてくれた仲間たちは、今でも仲がいい。
数年後、剣道で、夫とめぐりあえた。
ピアノの練習も再開した。
母が捜してくれた新しい先生は、生きる支えとなる音楽、を詰め込んでくれた。
後年、私もそれを、子供たちに教えていた。
少しずつ自分に自信が持てるようになり、まわりから認めてもらえるようになると、純粋に高校から得るものが、わかってくる。
視野が広がった、ということだろう。
今振り返ってみるに、15歳の春は、人生最初のターニングポイントだった。
あのとき、希望の高校に受かって、順風満帆で歩んでいたら、どんな自分になっていたんだろう。
あこがれの有閑マダムの道が待っていた・・・かな・・・