映画『ベルサイユのバラ』の悲劇
2007/03/22
宝塚で『ベルサイユのバラ』が公演されたのもこのころ。お金のない高校生は当然テレビ観演となる。テレビにへばりつくようにして見たが、なんか違うのだ。男装の麗人は宝塚にうってつけの演目だが、歌も踊りもない”まっとうな”『ベルバラ』が見たかった。
・・・すると、外国人俳優を起用して映画が作られるというではないか!映画雑誌『スクリーン』など読み漁って、手分けして情報を仕入れた。勉強の調べ物となると腰が重くなるが、こういうのは実にフットワークがいい。オスカル役の女優さんは初めて見る人だった。綺麗だけどインパクトに欠けた。衣装つければきっと違うさ。アンドレ役の俳優さんも見たことない人。どの角度から見てもハンサムだけど、ありきたりのハンサム。でも演技力は選ばれたくらいだから大丈夫だろう。
この長い話をどう縮めるのか、まるで監督や脚本家になったように皆喧々諤々、真剣に”討議”をした。
テレビでプレミアが放映された。見終えて出てくる人の感動の言葉や涙、原作者池田理代子さんの賛辞、絶対見に行かなくてはいけない!
日曜日の午前中、都合のついた同級生10人ほど、チケットの前売りを手に、池袋サンシャイン近くの映画館に勇んで行った。すでにそこには、同じ年頃の女の子がわいわいつめかけていた。期待に胸をふくらませ、いざ、館内へ!
・・・・・・・・エンディングのタイトルロールもそこそこに、私たちは映画館を後にした。ただ、だまって歩いて・・・「じゃあねえ、バイバ~イ」・・・その後2度と映画『ベルバラ』の話をすることはなかった・・・。
皆心の中で思っていたこと・・・よくあんなストーリーで原作者は許したねっ!プレミアから出てきた人は”桜だったんじゃないのっ!あんな貧弱なオスカルでどうするっ!おまけにぺろっとヌードになんかなっちゃって!なにさっ!!