上野の絵たち
2007/06/22
平日の午前中はすいているだろうと思ったのに、国立博物館のまわりは何重もとぐろを巻いていて、行列2時間。見たのは3分。感想は「なんだ、こんな小さいのか・・・じめじめした感じの絵だな」
それから30ウン年後の先週、それと同じ場所に、同じダ・ヴィンチ作『受胎告知』が鎮座していた。行列10分。
能面のような天使とマリアの顔。体はなんとなくアンバランス。ふたりの衣装のドレープの描き方はすばらしい。絵の遠近構成はまるで3DCAD!さすが比率にこだわった天才科学者だな。遠方に見える木々は無機質的で不気味。天使の羽の部分のお洋服は穴があいているのかな?
・・・なんてことを考えているうちに、とおりすぎてしまった。見た時間5分か・・・。
次に行ったのは東京都美術館でやっている初公開の『国立ロシア美術展』。リアルで素朴な農民の生活の絵は、深読みすることもなく、素直に楽しめた。
ついでに西洋美術館でやっている『パルマ~イタリア美術、もうひとつの都』にも、足を引きずるようにしていった。宮崎にくるまでは、身近にあるのが当たり前のように思っていた各種美術館。なかなか見られないから、上京すると”はしご”することになるのだ。1ヶ月もしたら、どこで見た絵かも分からなくなってしまうだろうな・・・。
疲れて椅子にでんと腰掛けたら、案の定眠気に襲われ・・・「お客様、お具合いでもお悪いのですか」の声に、はっと目が覚めたら、20分も熟睡。
人気(ひとけ)少なく、心地よいかげんの空調の館内、静寂のなか、ゆったりソファに座って、名画の前での昼寝は、あ~よきかなよきかな・・・。