20歳の貧乏旅行

2008/04/01
マフィアのおねーさん.jpg初めて海外旅行に行ったのは、20歳の夏休み。
バイト先の奥さんと意気投合して、5万円で3泊4日香港マカオ全食事付!の広告を見せられ、
「いいなあ、行ってみたいなあ」とつぶやいたら、あれよあれよという間に話は進み、気がついたら、香港に立っていた。
30人ぐらいのツアーは、あやしげなおじさんやらおばさんがいっぱい。
あとで気がついたのだが、宝石を買いにいくツアーだったらしい。
タワービルの天辺の一室や、路地裏の宝石屋さんに連れて行かれるが、お金も持っていない、何の感心もなさそうなおねーさんなんか、声もかけてもらえない。
旅行社の手違いで、思いっきり広い部屋にひとりで泊まることになった。
免税店なるところに連れて行ってもらって、世には"ブランドもの"というのが存在するんだということを初めて知った。
飲茶は、珍しくておいしくて、これでもかと胃袋につめこんだ。
どんな格好をしていったらいいかもわからず、ジーンズのオーバーオールを着ていたら、マカオのカジノで「あんた16歳だからダメっ!」って入れてもらえなかった。
じゃあってんで、ワンピースを着て、サンローランのサングラスを買ってかけたら、「マフィアのおねーさん」と言われた。
夜の食事の席で、「あんた大学生だから、英語で注文してよ」と言われたが、全然通じない。
ガイドさんの「ここではいろいろな国の女の人と遊べます。お望みのかたはあとで私のお部屋にきてね」と流暢な日本語には、純情可憐な私は仰天した。
当時の定番の土産、洋酒3本、タバコ何カートンか、そのほか祖母と母と弟にお菓子で、持って行った小遣い3万円はすべて消えた。
羽田に夜遅くついた上、税関を通過するまで時間がかかるだろうと計算して、お迎えに着てね、と頼んでいた彼氏(今のダーリン)は待てど暮らせど、来ない。
羽田はどんどん人が減っていって、シャッターが降りはじめ、とうとう私ひとりとなり、涙がでかかったとき、やっと迎えが到着した。
結構つらいことずくしの、怒涛の"ど貧乏"海外旅行だったが、あの時、行ってよかったなあと思ってる。
英語が通じなかったくやしさ、28歳から取り戻しはじめたんだから・・・。