笑いガス

2007/04/22

結婚記念日 4月22日は結婚記念日。
あの日は、朝起きたときから笑いガスが私たちに充満していた。
宮崎のホテルの一室で、花嫁支度はお化粧から始まった。
生まれて初めてつけまつげをつけた。上まぶたが重くなって、目が開かない。そこへ夫(まだか)が入ってきて、背後から何か言った。「なに?」と振り返って見ようとしたが、目の前真っ暗。目が開いていないんだと、つけまつげを指でつまんで持ち上げ、夫と目があったとたん、二人で噴出してしまった。
文金高島田のお飾りを束ねてあるリングを取ったら、ぱっと開いたのが、これまたおかしくて、二人でゲラゲラ。涙でマスカラがにじみ、厚化粧の目元と口元にしわがよって、化粧はやり直し。
そんな状態で式が始まった。
厳かな神主さんの言葉も、なぜかおかしみを持って聞こえてしまう。悲しいことを考えて気を静めようとするが、くくくく・・・と笑いガスが体の中をめぐっている。隣の新郎も、懸命に笑いをこらえていた。
誓いの言葉を書いた封書を渡された。包んであった和紙を夫が落した。「あっ、落ちた・・・」彼がつぶやいたとたん、わあっと笑いガスがはじけてしまった。
読み上げる夫の声が震えている。感動でではない。笑いをこらえるのに必死なのだ。
指輪の交換も、杯を交わすのも、目を合わせたら厳粛な式を自分たちでぶち壊しかねない。
笑いガスと戦い続けた”つらい”結婚式だった。
それ以来、笑いじわは深く刻み込まれ続けている。
田辺聖子さんも言っていた。『人生、笑ってなんぼです』