天照大神、三度天岩戸を出る

2007/01/07
DSCF0780.jpg 田舎暮らしの元旦、恒例行事は神主さんが来て床の間の前で祝詞をあげる。この方、362日は農業に従事し、正月3日間だけ直衣をまとい、大きな黒いかばんを抱えて家々を廻り”にわか神主”となる。今年は珍しく午後早い時間にやってきた。夫はまだ焼酎が2分ぐらいの入り。私は片付けでばたばたしていない。13回目となる正月の祝詞、初めて二人でじっくり聞いた。
儀式はかばんからはさみを取り出し、器用にちょきちょきと半紙を切り、注連縄を作ることから始まる。実に手際がいい。それを押しピンで床の間に貼り、襟を正し、座布団に座りなおし、いよいよ口上。
「かしこみかしこみ・・・」・・・重々しく、そして浪々と、国生みから始まる古事記の世界へいざなう・・・。ぽんぽんと手をたたくと、次から次へと、お屠蘇でほろ酔い機嫌の八百万の神様方が我が家においでになる。やがてメインイベント、天照大神が天岩戸から出てこられる段へ。すると・・・なぜか・・・神主さんの言葉が明確ではなくなる。「ごっにょごにょごにょ・・・」
しばらくするとイザナギイザナミが再度登場、また国生みが始まった。重々しく、浪々と、なんのよどみもなく祝詞は続き、なんとなく戸惑った八百万の神々が再びおいでになり、やがてメインイベント、天照大神が天岩戸から出てこられた。すると・・・なぜか・・・また・・・「ごっにょごにょごにょ・・・」
神主さんの後姿に、微塵の不安も感じられない。
やがて・・・いつの間にかさっきも聞いた「筑紫の日向の橘の小戸の・・・」に。何事もなかったかのように、イザナギイザナミが再再登場。またまた国生みをして、なんでなんでと右往左往している神様方がまたまたおいでになり、またまた天照大神が天岩戸から出てこられたところで、祝詞は無事終了した。
お初穂3000円也。