孤独死

2007/03/15
静岡に住む大学時代の友人から20年ぶりで電話がきた。岩手に帰った同級生がここ1年半ぐらい連絡がとれない。休みを取って行ってみたら、家は朽ち果て、誰も住んでいない。近所の人に聞いたら、平成17年8月31日”ぐらい”に亡くなったという。「その、”ぐらい”って何?」一人暮らしで誰も気がつかず、死後何日かして発見されたという。親を看取り、結婚もせず、糖尿・ガンを併発し、暑いさなか、ひとり誰にも気づかれずに亡くなっていった後輩のあまりの無残さに、夫は号泣した。
2年前、年賀状のやりとりも途絶えていたのに、突然岩手のりんごを1箱送ってきた。「昔世話になったから食べてください」と電話をしてきた彼の声は、およそ”死”とは無縁だった。「私たちになんかお金使わなくていいから、大事にためて。年賀状ちょうだいね」でも、年賀状は来なかった・・・。
先日、若い男女が向き合った状態での白骨が、6000年ぶりに発掘されたと報道していた。6000年もの間、地中深くで愛を語らってきたのだろうか。私も願わくば、そうありたい。隣で画面を見つめていた夫の横顔も、そう言っていた。