そして誰もいなくなった

2009/06/19
住宅型老人ホームのおじの部屋.jpg昨夜帰宅して、隣家を見ると真っ暗。
1月23日から始まった、隣家のおじの”介護チーム”が、昨日解散した。
グループホームに入所させたおばに続き、おじも週頭に施設に入り、隣の家は誰もいなくなった。
ここ1ヶ月認知症が、とみにひどくなってきた感じなのに、施設に入る、ということを、なんとなくわかっていたのか、「これが最後の焼酎になるな」と言ったり、近くの弟の家に「もう帰ってこないから」と納屋の鍵を預けに行ったり。
しかし、懸念していた通り、入所した夜は一晩中ハイ状態で、家に帰ると施設の中を徘徊し、他の部屋を片っ端からあけ、休んでいるおばあちゃんたちを寝させなかった。
「なにか愛用の品あったら持ってきていただけませんか?」
困り果てた職員から夜遅く電話があったが、無趣味な人なので、思い当たらない。
なんにもないよねえ、なにか落ち着くものってなんだろう・・・介護チームの姑あらんだまばーちゃんや、おばたちと頭をひねった。
・・・そうだっ!
翌朝、持って行った『精神安定最強グッズ』は、こたつ
知る限り、おじは、このこたつで寝起きしていたから、においが、どっぷりしみこんでる。
アンド、テレビ
スイッチの入れ方もわからないし、最近ほとんど見てもわからなくなっているけど、家にあるのと同じのを据えた。
それと、ぬいぐるみ
いつも誰かが一緒にこたつに入っていたから、その代わりとして新規購入。
「おじちゃんをなぐさめるんだぞ」と"任務”をよ~く言い聞かせ、セッティングした。
今日で5日目。
居宅型老人ホームは、居宅を家から施設に移し、生活援助が受けながら、家にいたときと同じように、昼間は隣接しているデイケアにかよう。
お風呂あり、おいしいごはんあり、楽しいゲームありのデイケアと、こたつとテレビとぬいぐるみが効を奏し、少しずつ落ち着いてきたと言う。
いつか誰もいなくなった隣の家を眺める日がやってくる、と覚悟していたけど、寂しさがこみあげてくるのは、もっと先になりそう。
彼らの畑や庭の手入れ、お金の管理、次から次へとくる書類の処理・・・まだまだやらなくてはならないこと満載だもんね・・・