母べえ

2008/01/21
この字を新聞で見つけたとき、夫はなんと読むかわかるか、と尋ねた。
「かあべえ?」
山田洋次監督の新作「母べえ」の特集では、主演の吉永小百合さんが白い割烹着を着て、子供らを穏やかに見つめていた。
60歳を過ぎても若々しく、相変わらず清楚な美しさが輝いている吉永さんが、お母さんを演じる。
夫は小学校3年で死別した母を、「かあちゃん」と呼んでいた。
しかし、かあちゃんに叱られたとき、すねていうのは「かあべえ」
落書きで「かあべえのばか」とふすまに書いて、消すのがたいへんだったという。
吉永さん演じる「母べえ」のように、白い割烹着を着ていたのは覚えているが、顔はもう思い出せないと、彼の視線が遠くなった・・・。