口から食べられなくなったらどうしますか「平穏死」のすすめ を読む

2010/12/21

MRの結果待ちの時間、待合室で本を読んでいた。
石飛幸三医師著の『「平穏死」のすすめ』
副題は、口から食べられなくなったらどうしますか

石飛医師は、現在東京世田谷にある特別養護老人ホーム 芦花ホームの常勤医。若いころは外科医として活躍されていた。
死の淵から引きずり戻す仕事から、看取りの仕事へ。
そのギャップや現実で苦悩されているお話を、11月宮崎市で行われたフォーラムで、お聞きした。そして、もっと詳しく知りたいと、この本を購入した。
昔お年寄りは、食べられなくなったら、それが寿命として受け入れられてきた。
でも今は、不自然な長生きがなんと多いことか。
著書の中で、「せっかく楽に自然に逝けるものを、点滴や経管栄養や酸素吸入で無理矢理叱咤激励して頑張らせる。顔や手足は水膨れです。我々は医療に依存し過ぎたあまり、自然の摂理を忘れているのではないでしょうか」と。
食べられなくなった人に、胃ろうをつける。つけないと、餓死させることになる、といわれ、見殺しにするという強迫観念にとらわれてしまう。
大抵の場合、老いは先のことで、ひとごとのように思われるのだが、現実はいきなりやってきて、いきなり判断をせまられることになるのだ。
私は、少なくとも4人、父、母、姑、後見人をやっているおばには、決断を下すことになるだろう。
どういう形でやってくるかは想像もつかないが、少なくともあらかじめ知識を入れておいて、心の準備をしておけば、少しはましかも。
”嵐”は必ずやってくる。でも鎮まるときはくる。
本を読み終わり、ぱたと閉じた時、そう覚悟がついた。
「あらんだまさ~ん、診察室にお入りくださ~い」
1年に1回の定期MR健診。変わりなしだった。
4人を看取るまで、倒れてたまるか。