ピアノの調律から『アルゼンチンまでもぐりたい』へ

2010/11/30
ピアノの調律.jpgかかってきた電話の宛名をみて、はっと思いだした。
ピアノの調律・・・
いつもなら5月の連休あたりにするのが、隣家のおじの葬儀やらなんやらで、半年延期してほしいとお願いしていたのだった。
ちょっと電話に出るのを躊躇したのは、この1年半、ピアノ弾いたの、自慢じゃないが、たった3回!
夫が、新品のグランドピアノ買って、リフォームもして、もったいないことだ、とぶつぶつ言っていたっけ。
調律するものもったいない気がするが、まっいっか。
我がピアノを、私以上に愛でて、丁寧に調律してくださるのは、県立劇場で一流のピアニストの調律も手掛けるふじさきさん。
きりりとエプロンを絞め、掃除機で内部のお掃除から開始。
私は邪魔しないように、静かに居間で新聞を読んでいるが、音は聞こえる。
鍵盤真ん中音からから高音に行って、しばらく様子を見るようにぽろぽろ弾いていたら、また真ん中から高音へ。
2度してる・・・やっぱり弾かなかったのがまずかったな・・・
それから真ん中にもどり低音へ。
「終わりました」
ろくろく練習しないで、ピアノの先生のところに行くような気分で、お茶を持っていくと
「あらんだまさん、お忙しいでしょうが、弾いてくださいね」
ほらきた。わかってますって。
「ところで中村紘子さんのコンサートのチケットは買われましたか?」
そうだ!口蹄疫で延期になって、年末に変更とかになってたっけ!
「まだチケットあると思いますよ。お仕事ばかりでは心が乾きます。コンサートに足を運んで、生の演奏を聴いてくださいね」
それから、手掛けたピアニストの調律の裏話をしばしして、1年後の再会を約束して帰っていった。
その夜、ふうちゃんアイスのふうちゃんからメールが来た。
なんと「中村紘子さんのコンサートに行かないのですか?」
昼間の会話、どっかで聞いていたんだろうか?
電話をすると、今すっかりピアノにはまっているふうちゃん、中村紘子さんはよく知らないんだけど、一緒に聞きにいきませんかと。
世界に名だたる中村紘子知らないで、どうするっ!だけど、オッケー行こう!
でも私は彼女の演奏より、ウイットに富んだ著書の方が好きなんだな。

本箱ごそごそして『アルゼンチンまでもぐりたい』を引っ張り出した。
そして、ピアノの前でなく、ソファに座っておもむろに本を開いた。
練習嫌いの私、この年になっても治らない・・・