行列に並ぶ

2011/04/05
東京の母から、電話がきた。
地震の関係で、なかなか入荷しなかった○○(聞き取れなかった)が売っていた。籠にぽんぽんいれ、長~い行列のすえ、ようやくレジにたどり着いたら、「これはふたつまでです」と取り上げられた。まわりの人が、みんな見ていて、恥ずかしくて恥ずかしくて、もう二度とあの店にはいけないと。
わざわざそんなことで、電話してこないでよ、と娘はつれない。
いい歳して、そんなことで恥ずかしがって、どうするの。
姑あらんだまばーちゃんなんか、宮崎のデパートで1つしかもらえないものを、3つもらってきた。
やり方は、1度目はふつうの格好。2度目は帽子をとって。3度目は上着を脱いで。
自分じゃあ、変装したつもり。
デパートのひとは、「ああ、またあのばーさん来たな」と見て見ぬふりをしてくれたんでしょ。
こどものころ母は、スーパーの安売り卵の行列に、私を並ばせた。
レジの順番がきたのに、買い物に夢中になっていた母は、戻ってこない。
半べそかいて、もう一度行列の最後に並んだ。
しばらくして戻ってきた母、「レジのところまで来なたら、なんでそこにいないのっ!」
それ以降、お買い物は私ひとりでいくことにした。
行列の修練を重ね、今私は、姑あらんだまばーちゃんに近づきつつある。