やり残しのない人生のために自分史を

2019/08/21
自分史

自分史講座の前に、自分史を残された川崎さんという生徒さんのことを書きたいと思います。
わたしにとっても、忘れられない生徒さんの一人です。
パソコン塾に来たときは70歳代でしたが、10年後くらいに亡くなられましたが、この年齢でパソコンを始めたこととブログを書き始めたことで、川崎さんの人生が変わり始めました。

門川の自然についてホームページを作って、広く人に知ってもらいたいと来られました。
町の生涯学習で、パソコン講座を受けてきたので出来そうだからお願いしたいと言われましたが、ホームページとなると全く別物です。
文字入れもおぼつかない状態でしたので、どうしようかと思っているときに出始めたのがブログです。

ブログならとりあえず文字と写真挿入ができれば、自由に思いを書けるのではないかと、タイピングの練習とWordの基礎の部分を一通りやってもらい、写真の取り込みと縮小方法を指導し、いよいよブログ設定です。
子供の頃からの思い出を書き始めました。
まだブログは残っています。https://blog.goo.ne.jp/narukogawa
書き始めは、2005年3月。
わたしもまだ、自分史などという言葉を知らない頃でした。

文章を書いていくうちに、自分で絵も描きたいと言いだし、パソコンで絵をかいていたインストラクターの人に教えてもらいペンタブレットを購入しました。
いや、ネットで調べたら今はすっかりハイテクになっていますね。ビックリでした。
ブログのイラストは、すべて川崎さんが描いたものです。
文字入力も、指一本でチャチャチャとローマ字で打っていくスピードも、習得の早さも凄いものでした。

子供の頃のことを書いているうちに、けんか別れした幼友達が気にかかる。
あの子はどうしているんだろうかと友達に相談をしたところ、宮崎市内にいるということになり、連絡を取ってもらって実に60年ぶりに再会することができました。
本人もとても喜んでいましたが、こんなこともブログを書かなかったら会うことはなかったでしょうね。

そして当時、この年代でブログを書いていることが話題となり、ワイワイテレビやラジオ番組に出たり、地元の夕刊にも載せてもらうことができました。
挑戦すればできると、いろいろなことを始めた川崎さんですが、人生後半の中で一番輝いていた時期ではないでしょうか?

最後に、ブログを本にしたいとの申し出にまた難問です。
今のように、ネットで簡単に本にすることができない時代でした。
ロット数は多いし、金額も値が張ります。
そこで、本を手作りできるキットを持っているという人から借り受け、作成する運びとなりました。

まずは、ブログをWordに落とし込むという、とてつもない作業が控えていました。
1日1ページで1冊400ページを超える量を「門川人1と2」の2冊分の800ページ以上。
そして図書館と知り合いにと合計10冊作成しました。

その後もちょくちょく「先生、あのね」と突然教室に来たりしていろいろなお話をされていきました。
しかし、パソコンに向かっていることを認知症が進み始めた奥さんがよく思わなくなったり、また自分の体調も思わしくないため、ブログを書く頻度が少なくなっていき最後が2015年5月でした。
それでも、10年という歳月がたっていました。
突然の訃報で葬儀場に行ったとき、祭壇には2冊の本が飾られていました。
娘さんから、「父はパソコンに向かっているときが一番楽しそうでした」と聞きました。

その後も娘さんにお会いする機会があり、伺ったお話では法事のときに皆で回し読みをしてなつかしんだそうです。

川崎さんに喜んでもらえて、そのお手伝いが出来たことが私の中の自分史の原点になっているように思います。
自分史には、いろいろな力があります。
それは、どのような形で発揮されるのかはわかりませんが、残された家族にとっても大きな財産になることと思います。
デジタルからアナログにしたことで、パソコンやネットを使わない家族にも見てもらうことができ、また次の世代へと繋いでいただきたいですね。

次回から、自分史講座に入っていきます。お楽しみに!

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